介護医療院にはあらゆる専門職が在籍しています。そのため、他の専門職との連携がカギになります。
特にコミュニケーションを取る機会が多いのが介護士です。業務についての意見が分かれ、役割分担が上手くいかないケースも少なくないため注意が必要です。それぞれ領域が異なるため、お互いのプライドがぶつかり合うこともあるでしょう。多くの場合、トラブルが起きるのは役割分担や業務の線引きが曖昧になっていることが原因です。食事・排せつ介助、おむつ交換などは看護師が行うこともあるため、その対応について介護士から意見されることもあります。
特に注意が必要なのは、病院で働いていた看護師が介護医療院に転職する場合です。これまで、医療的な観点から患者のケアをしてきましたが、介護医療院ではそれに加えて福祉的な観点も持ち合わせなければなりません。体調管理や服薬管理などの看護師としての本来の業務を疎かにせず、入居者の快適な生活を維持するためには介護士との相互協力が不可欠です。
トラブルが起こった場合、もしくは起こりそうな場合、まずは問題点を明確にしましょう。その上でお互いの要望を伝えてください。その際は、第三者を間に立てるといいでしょう。今後に向けた業務の担当に関する取り決めを行い、お互いの業務を理解するための時間を設けてください。医療と介護それぞれの分野に特化した職員が、お互いに尊重し、理解し合うことで初めて介護医療院として機能します。そのためには、介護士との連携こそが重要なのはいうまでもありません。
自分の仕事に責任とプライドを持つことは大切です。しかし、相手にも同様の配慮を欠かさないようにしましょう。介護医療院は多角的な機能を持つ施設です。看護師もその機能に関わる一員として、職員同士の連携強化に努めていかなければなりません。
看護師と介護士の関係についてピックアップして紹介しましたが、それ以外にも医師や薬剤師、リハビリ専門職、栄養士など様々な専門職が在籍しています。それぞれの専門職がどのように他の専門職の支援を組み込むべきかについて、お互いの専門性や知識を尊重しながらコミュニケーションを取っていきましょう。特に、看護師は他の専門職同士をつなぐ橋渡し役を担う機会が多くなります。各分野の専門職をつなぎ、組織全体としてより一層の強化を図ることこそが、介護医療院で働く看護師に求められるスキルです。時には難しい場面に遭遇することもありますが、粘り強く対応する姿勢が求められます。