介護医療院の業務内容や転職するコツを紹介!

介護医療院の成り立ち

介護医療院の成り立ち

介護医療院は2018年に創設された介護保険施設で、医療と介護を同時に提供することができます。介護医療院の成り立ちや特徴について詳しく見ていきましょう。

作られた背景

これまで、介護を必要とする人は介護療養病床、長期的な医療が必要な人は医療療養病床で受け入れてきました。両者には実質的な違いがなかったため、医療と介護の役割を明確にすべきだという課題があり、社会保障費の適正化が求められていました。そこで、介護を必要とする人は介護老人保健施設、医療を必要とする人は医療療養施設で受け入れる方針を定め、介護療養病床は2011年に廃止が決まりました。しかし、介護療養病床から介護老人保健施設への移行がスムーズに進まず、厚生労働省は期限までの廃止は難しいとして、廃止を2017年までに延長し、実態調査や制度の見直しを行いました。
調査の結果、既存の介護老人保健施設では人員の問題などによりニーズに応えるのが困難であることが判明したため、新たに介護医療院の設立が決まりました。地方公共団体や医療法人、社会福祉法人などが主な運営法人で、移行期間の間については介護医療院と介護療養病床が混在しているケースもあります。しかし、介護療養病床の廃止期限となる2024年までには完全移行する予定です。

主な目的

介護医療院の目的は、介護を必要とする高齢者の長期療養や生活を支え、日常生活の支援や機能訓練を行うことです。要介護1~5の認定を受けている人が対象となります。利用者の尊厳を損なわず、自立支援をベースとしたケアプランを作成し、各分野の専門職が連携しながらサポートしていきます。
また、介護医療院は地域における交流の場としての機能を持ちます。介護医療院には「地域交流」が運営基準に盛り込まれており、この点が介護療養病床とは大きく異なります。ボランティアの受け入れや自治会と連携した各種イベントの開催などを行い、開かれた環境で運営されています。

介護医療院の特徴

介護医療院は医療ニーズにも応える施設なので、医療従事者が常駐しています。介護医療院(Ⅰ型)の場合、最低3名の医師が配置されています。当然、看護師の人員配置も義務付けられています。その他にも放射線技師などの医療専門職が配置され、利用者の容態変化にも迅速に対応できる点が特徴です。また、ターミナルケアや看取りなども行っています。なお、ターミナルケアとは終末期の患者に対する治療やケアのことを指します。治療を目的とした医療と、苦痛を和らげるためのケアを行います。

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